FX会社は国内外に多数あり、業者選びに迷っている方も多いのではないでしょうか。
業者選びの重要な基準のひとつが、継続的なコストとなるスプレッドです。
この記事では、国内、国外のFX会社のスプレッドについて比較しました。メジャー通貨のほか、スワップポジションを視野に入れた取引で人気の高いトルコリラについても比較しています。
スプレッドとは
スプレッドとは、買値(ASK)と売値(BID)の差のことです。この差分はFX会社の利益分となるため、隠れた手数料と呼ばれることもあります。
Pipsとは
海外FX業者においては、スプレッドは「pips」で表記されることが一般的です。
pipsとは通貨の共通単位のことで、スプレッドだけでなく手数料や価格の変動幅などにも用いられます。Pipsを用いることで異なる通貨や商品について、同じ指標で比較することが可能です。
なお法定通貨で1pipsがいくらになるのかは通貨ペアによって異なります。例えば日本円を含むペアであれば、100pips=1円となります。
海外FX会社の比較
海外FX業者はほとんどの業者がNDD(Non Dealing Desk)方式をとっています。
そのためDD方式をとっている日本の業者よりもスプレッドが広めです。
また変動スプレッドを採用しているところが一般的で、公式サイトなどに最低スプレッドとして公表されているよりも実際には広くなることのほうが多いので注意しましょう。
今回は「一般向け口座(スタンダード口座、もしくはそれと同等の口座)」で比較をしています。
メジャー通貨ペアのスプレッド
米ドル(USD)、ポンド(GBP)、ユーロ(EUR)、オーストラリアドル(AUD)について、日本円のペアで比較してみます。
USDJPY | GBPJPY | EURJPY | AUDJPY | |
XM | 1.6 | 3.6 | 2.3 | 3.3 |
AXIORY | 1.4 | 2.5 | 1.5 | 2 |
TRADEVIEW | 0.3 | – | 0.2 | – |
HotForex | 1.7 | 2.9 | 1.9 | 2.3 |
Titan FX | 1.33 | 2.45 | 1.74 | 2.12 |
FBS | 1.2 | 3 | 2 | 2.4 |
LAND-FX | 1.1 | 1.9 | 2.1 | 1.9 |
IronFX | 1.8 | 3.9 | 2.2 | 3.6 |
GemForex | 1.5 | 2.6 | 2.4 | 2.6 |
is6com | 1.6 | 3.1 | 2.3 | 2.9 |
米ドルはどの業者もスプレッドが狭いのですが、ポンドやオーストラリアドルはやや広めです。
トルコリラペアのスプレッド
金利差が大きく、スワップポイントの利益を重視した投資家に人気のあるトルコリラ(TRY)のスプレッドを比較します。
FX業者 | USDTRY | EURTRY | TRYJPY | GBPTRY |
XM | 25.0 | 43.0 | – | – |
AXIORY | 66.5 | 116.2 | 6.8 | – |
TRADEVIEW | – | – | – | – |
HotForex | 209.3 | – | – | – |
Titan FX | 11.57 | 26.92 | – | 27.43 |
FBS | 49.8 | 50.1 | – | – |
LAND-FX | 289.9 | 589.0 | – | 453.1 |
IronFX | 13.0 | 14.0 | 8.0 | 21.0 |
GemForex | 109.7 | – | – | – |
is6com | 18.9 | – | – | – |
トルコリラのペアは、どの業者でもほかの通貨ペアに比べてスプレッドが広くなっています。
これは価格変動が激しく取引量も少ないためで、レバレッジ制限もほかの通貨ペアよりも厳しくなっている業者が多いです。
国内FX会社の比較
次に国内業者のスプレッドを比較してみましょう。
国内業者はDD方式が一般的で、国外のFX業者よりもスプレッドは狭い傾向にあります。
また固定スプレッドになっているところも多く、コスト管理はしやすいでしょう。ポンド円ペアでは海外業者と同じくスプレッドは広めです。
なお時間帯別で異なるスプレッドを設定している業者もありますが、この比較では通常時(1日の取引時間のうち最も長い時間)に適用されるスプレッドで比較しています。
FX業者 | USDJPY | GBPJPY | EURJPY | AUDJPY |
GMOクリック証券 | 0.2銭 | 1.0銭 | 0.5銭 | 0.7銭 |
外為ドットコム | 0.2銭 | 1.0〜0.7銭 | 0.3〜0.4pips | 0.5〜0.7銭 |
みんなのFX | 0.2銭 | 0.8銭 | 0.4銭 | 0.6銭 |
外貨ex by GMO | 0.2銭 | 1.0銭 | 0.5銭 | 0.7銭 |
マネーパートナーズ | 0.3銭 | 0.7銭 | 0.4銭 | 0.5銭 |
ヒロセ通商 | 0.2銭 | 1.0銭 | 0.4銭 | 0.6銭 |
FXプライム by GMO | 0.3〜0.6銭 | 1.1銭 | 0.6銭 | 0.9銭 |
DMM FX | 0.2銭 | 1.0銭 | 0.5銭 | 0.7銭 |
外為オンライン | 0.9銭 | 3.4銭 | 1.9銭 | 3.2銭 |
FXTF | 0.1銭 | 0.6銭 | 0.3銭 | 0.4銭 |
【中級者向け】NDD方式の国内FX業者
海外FX業者が多く採用しているNDD方式。スプレッドが広くなる傾向がありますが、中級者以上ではNDD方式を好む人も少なくありません。
その理由は、NDD方式のほうがDD方式よりも投資家にとって有利な価格でトレードできることが多く、また業者の裁量が入る余地がないために公平な取引を行うことができるため。
国内ではDD方式のほうが一般的ですが、以下の業者ではNDD方式の取引が可能です。
※スプレッドについてはほとんどの業者で非開示となっています
・ヒロセ通商
・オアンダ ジャパン
・外為ファイネスト
・サクソバンク証券
・アヴァトレード・ジャパン
・フォレックス・エクスチェンジ
・EZインベスト証券
・インヴァスト証券
スプレッドが広がる時間
スプレッドは常に一定ではなく、時間帯によって広くなったり狭くなったりします。
コストを抑えるためには、できるだけスプレッドが狭い時間で取引を行うようにしましょう。
早朝
日本時間の早朝はスプレッドが広がりやすい時間です。
これはニューヨークなど主要な市場が閉場していることが要因で、投資家が少ないためにスプレッドが広くなる傾向があります。
固定スプレッド制を採用している国内業者でも、早朝のみ異なるスプレッドを設けている業者は多く、おおむね通常時の10倍程度のスプレッドが設定されています。
通貨を利用する国の投資家が少ない時間
早朝以外にも、通貨ペアの通貨利用国の市場が動いていない時間はスプレッドが大きく広がります。
例えば東京市場が動いていない時間や、日本時間の深夜などは、日本円取引の主な参加者である日本の投資家が少ないため、日本円を含むクロスペアのスプレッドに影響が出やすくなります。
スプレッドが広い時の対処法
ゼロスプレッド口座など固定スプレッドで取引できる口座なら、スプレッドが広がりやすい時間でも安定した取引が可能です。
ただし手数料がとられる場合もあるので、取引条件を事前に確認してから利用するようにしましょう。
まとめ
海外業者と国外業者のスプレッドを比較しました。
スプレッドだけ見ると国内の方がコストは低いように感じますが、海外の業者はNDD方式、国内の業者はDD方式とそれぞれ取引方式が異なっているためです。
どちらの方式もメリットとデメリットがあるので、スプレッドの広狭だけで比較せず、業者や口座タイプを見定めることが重要です。